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日々の鍛錬あってこその“ご褒美” 逆転賞金女王の古閑美保

電車の中で、立ったまま器用に化粧する女性を見た。ファンデーションをつけ、アイラインとリップを引くと、瞬く間に“変身”した。見栄えはいいが、どこかうわべだけの美…。“本当の美”は内面から時間をかけなくてはならないだろう。特にスポーツの世界ならこんな“化け”はすぐにボロが出る。

 「サボったらツケ、きますよ」は最終戦で奇跡の逆転賞金女王に輝いた古閑美保の体験である。1年前から飛距離アップのため肉体改造を始め、専属トレーナー、山坂美穂さんと契約。体幹と関節回り中心のトレーニングを積み、5月のクリスタルガイザー・レディースで早くも優勝した。

 「いつもは春先駄目なのに改造の結果…」だったが、「途中でサボってしまって…」と、夏前にスタミナ切れからか予選落ちも。夏場のミニ合宿で立て直し、最終戦で女王の座に就いたが、最終部門別データでは“不思議な数字”が残った。

 平均ストローク6位、平均パット数15位、パーセーブ率4位、パーオン率9位、リカバリー率5位、平均バーディー数13位…。どれ一つとってもトップはない。「本当に運がよかったんだと思いますね。来年はサボったら絶対駄目だと思うし、気合入れます」。トップに立って“手抜き”の怖さを知った。大きな収穫だろう。

 ゴルフは野球やサッカーなどの団体スポーツと違い、個人で自己管理するしかない。21歳の原江里菜も今季から松浦麻代さんをトレーナーとして帯同させている。8月のNECで初優勝、しかも全37試合完走…。

 「これまで鍛えるなんて頭になかったが、阪神の岩田さん(稔投手)と一緒に1月に自主トレして目覚めたんです」。今や朝の1時間以上もかけたストレッチが麻薬(?)になっている。2年目で賞金10位とブレークした理由が隠れていた。

 男子の石川遼の専属トレーナーは、阪神・桧山進次郎の肉体改造をした仲田健さん。昨オフから週2度の筋力トレと食事療法中心で58キロの体重が70キロへ、体脂肪も一ケタになって筋量は3キロ以上アップした。新人ながら1億円突破した理由は彼のゴルフセンスだけではない。3年計画だという肉体改造、くれぐれも慢心せぬように願いたい。

 世界の王貞治氏が若手を指導するとき、こんな話をする。「鍛えるときには徹底的に体を痛めつけるんだ。必ず結果はついてくる。体の切れ味だよ。切れ味がなくなったら女にだってモテないからナ」。いい環境をつくっても、鍛錬とそのタイミングを誤ったら駄目。どの世界も一緒…。

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